1.緒言
タマユラミライ終わりました。
伝奇なので終わり方に不安もあったのですが、
そこまで忌避感のない終わり方になってくれたことが良かったです。
以下雑。
2.感想
2.1. 共通
妖異の恋愛(1話は友人関係な気もするが)話が発端になってる問題の解決に主人公たちが取り組むという流れ。
2話の話は身分違いの恋の話に通ずるので、その辺の話が好きならベタだけどすんなり入るのではないかな。
共通では由岐奈やみだりのパーソナリティはそれなりに掘り下げている気がしたけど、花子や白に関してはそこまで感じられなくて悲しい。
共通ラストに白に関する設定をぶっこまれる。
ヒロイン一人だけただの人間ってあってもいいけど胡散臭いな、OPムービーの演出もなんか過去に重そうな設定がありそうな演出だし。
って思ってはいたんですが、設定の中身自体はなんも考えてなかったのでなるほどという感じ。
OPで同じCGの確認してみたんですが、足元は映してなかったりで絶妙にガードしてたのでそこから気づくのは無理筋でした。
2.2 由岐奈
恋愛感情は割と唐突に感じた。
このルートに関しては白と主人公に関する情報を出すルートの役割が強かったかなあ。
「死んだ人に拘り続けるのは、やっぱりよくないことだもん……私も、むっくんも、これでよかったんだよ」(由岐奈編『約束は守れない』, 小伯 白)
というセリフが印象的。自身の考えもそれに近いというのもあるのだけど、幽霊である白と主人公の行く末が別れか、少なくとも現世に留まって幸せ! とは違う流れになるんだという印象をここで持ちました。
2.3. みだり
共通の段階でも主人公への想いは大分書き込まれていて(記憶違いかも)、そのあたりの違和感はなし。
ただ、やってる話の内容が種族ゆえに簡単に好きとは言えない身分違いの亜種、掟を破ることによるお家問題であり、解決方法ももうこれを深刻に書き込んでも仕方ないとあっさり行っている、白ルートに関わる話は出てこないなどと独立色が強かったので、みだりが好きかどうかでプレイするかどうか決めてもいいんじゃないかなという感じでした。
キャラゲーとしては無難な出来(面白いとは言ってない)なルートだと思います。
2.4. 花子
虚無。
2.5. 白
3ヒロイン全てプレイ後というルートロックがあるので、実質True。
死後約70年における過去に囚われた主人公と白の旅立ちのお話。
(脱線)
作中では明確に70年って言ってる気がするんですが、そうなるとタマユラミライの時間軸は2016年になってしまうということがあります。(白の死んだ年が昭和21年=1946年)
大した問題ではないんですが発売年とはずれているなあという。
メインライターの籐太氏が2016年から大きな仕事はパット見してなさそうなのを見ると、2016年の仕事が一段落ついたあたりで考え始めたのかもしれないなと。
ちょうどその頃って千恋*万花とかもそうですけど、なんだか和が流行ってた時期でもありますし。
(脱線ここまで)
さて、本題に。
白を救う方法の最後のピースを由岐奈ルートの出来事で見つけた主人公のその後という形。(由岐奈ルート自体には入っていませんが、同様の出来事が起きたという設定なのでしょう)
人を生き返らせる、そんなものが容易に認められる行為かというとそういうわけでもなく、本人が望むのかもわからずに葛藤する流れ。(とはいえ、主人公本人は生き返らせることではなく、自分には救えなかったという無力感の解消に執着していた記述が多く、あまり強い葛藤を感じはしなかった)
......とはいえ由岐奈のところで話したように、おおよその行く末は感じ取れるところではありました。
グランドED前のシーン、卯子鳥サマを絡めた来世でも添い遂げようと願いを込めた正しい流れへの旅立ちと、一番最後の二人の髪色を引き継いだ赤子のCGは、世界観的にも無理のない綺麗な終わり方だったと感じました。
(脱線、他作品批判+ネタバレあるので注意)
最近割と一緒に行けないとか永遠の別れっぽいイベントや死のイベントを介した後にあっけなく蘇生する展開を行う作品を多く目にしていて、すごく印象に悪かったんですよね。
実装自体は古いですけどfgo第一部の終章であるとか、千桃、アオイトリ、pieces......と挙げていくと多分そこそこ出てきます。確かにハッピーエンドなんでしょうけど基本的に永遠の別れや死ぬというイベントに対して決意を持って進むという姿に感動を覚えさせようとしているわけで、その後のあっけない蘇生って、全てを茶番とさせてしまうなあと思っています。この流れを断ち切ってほしいなあと思いつつ、あまりこの部分に文句を言う人も見ないので、一種のお約束で気持ちいい人の方が多いのかなとか思ってしまってなんともいえない気持ちになることが最近増えました。
(脱線ここまで)
白と主人公との70年の長さを感じさせるためには主人公の苦しみをもっと書く必要があっただろうなと思っていて、いくつかの回想はあるんですがどれも短くて長さを感じなかったのがちょっと悲しい。この長さで思わせるにはさかき傘氏がよくやる手法じゃなきゃいけないのかなあって思ったりもするんですけど、この作品にその入れ方は難しいですし、ちょっと尺伸びても書き込んでくれた方が思いを馳せることができたのではないかなと思ったりしました。
長さを感じるのに弱い理由とは重ならないかもしれないですが、紅さんのババア立ち絵がない! いやあったらあったで困るんですけど、いつみても主人公の目が老人を中学生に見せていてそれも違和感なので、情報解禁した後は用意されててもよかったんじゃないかなと思いました。
3. まとめ
和風、田舎、妖異と並べるとものべの! とか思いついちゃうんですが、あちらとは大分趣が違いますね。籐太氏の過去作を触る限り、割と過去にすれ違いがあったもののわだかまりを解決するという流れはよくやられている気がします(担当ルートの予想が正しければですが)し、お得意な路線に乗せていたのかなと思います。もう少し2人に思いを馳せられるような尺取りをしてくれればなあと思いつつ、拒否感が少ない綺麗な終わり方に好ましさを覚えました。なお本筋に絡まないルートは......はい。
あめとゆき氏の原画(特に白)目当てでシナリオには期待してなかったって言ったらシナリオライターに怒られるんでしょうか。(見られないとは思うけれど、すごく巡回RTなされているので怖い)
じゃあ、今回はここまでで。
エロスケの方にも短文でネタバレにならない程度にまとめるかもしれません。